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アスベストと健康被害
●アスベストとは?
アスベストは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で石綿(せきめん、いしわた)と呼ばれています。
アスベストは、その繊維が極めて細いので、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないとアスベストが飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的でアスベストを吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。
その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などでアスベストが使用されましたが、現在では、原則としてアスベストの製造等は禁止されています。
アスベストは、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などでアスベストの予防や飛散防止等が図られています。
●アスベストが原因で発症する病気は?
アスベストの繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれており、肺ガンを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。アスベストによる健康被害は、アスベストを扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後、発病することが多いとされています。仕事を通してアスベストを扱っている方、あるいはアスベストを扱っていた方は、その作業方法にもよりますが、アスベストを扱う機会が多いことになりますので、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。現にアスベストを仕事で扱っている方(労働者)の健康診断は、事業主にその実施義務があります。(労働安全衛生法)
アスベストを吸うことにより発生する疾病としては主に次のものがあります。労働基準監督署の認定を受け、業務上疾病とされると、労災保険で治療できます。
@石綿(アスベスト)肺
肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。肺の線維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、アスベストのばく露によっておきた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15〜20年といわれております。アスベスト曝露をやめたあとでも進行することもあります。
A肺ガン
アスベストが肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれたアスベスト繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあることも知られています。アスベストばく露から肺がん発症までに15〜40年の潜伏期間があり、アスベストのばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
B悪性中皮腫
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20〜50年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
●どの程度の量のアスベストを吸い込んだら発病するのか?
アスベストを吸い込んだ量と中皮腫や肺がんなどの発病との間には相関関係が認められていますが、短期間の低濃度アスベストばく露における発がんの危険性については不明な点が多いとされています。現時点では、どれくらい以上のアスベストを吸えば、中皮腫になるかということは明らかではありません。
●以前アスベストを吸い込んでいた可能性がある場合どこに検査に行けばよいのか?
アスベストを吸い込んだ可能性のある方で呼吸困難、咳、胸痛などの症状がある方、その他特にご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関に相談してください。
●アスベストを吸い込んだかどうかはどのような検査でわかるのか?
胸部X線写真でアスベストを吸い込んでいた可能性を示唆する所見が見られる場合もありますが、アスベストを吸い込んだ方全てに胸部X線写真の所見があるとは限りません。心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関に相談してください。
●吸い込んだアスベストは除去できるか?
一旦吸い込んだアスベストの一部は異物として痰のなかに混ざり、体外に排出されますが、大量のアスベストを吸い込んだ場合や大きなアスベストは除去されずに肺内に蓄積されると言われています。
●アスベストが原因で発症する疾患に特有の症状はあるか?
発病し、さらにある程度進行するまでは無症状のことが多いと言われています。
●アスベストによる中皮腫や肺がんの発症を予防するにはどうすればよいか?
過去にアスベストにばく露したことによる中皮腫や肺がんの発症を予防することについては現在有効な手段は明らかではありませんが、アスベストを吸い込んだ方が全て中皮腫を発症するわけではありません。吸い込んだ石綿の量、期間、種類によって異なります。
肺がんについては、アスベストばく露と喫煙との組み合わせで肺がんの発症は相乗的に上昇するとの報告があり、禁煙は重要です。
●わが家はアスベストの危険性があるか?
建築物においては、耐火被覆材等として吹き付けアスベストが、屋根材、壁材、天井材等としてアスベストを含んだセメント等を板状に固めたスレートボード等が使用されている可能性があります。
アスベストは、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています。すなわち、露出して吹きつけアスベストが使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散するおそれがありますが、板状に固めたスレートボードや天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストからは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。
吹き付けアスベストは、戸建て住宅では、通常、使用されていませんが、マンション等では、駐車場などに使用されている可能性があります。販売業者や管理会社を通じて建築時の工事業者や建築士等に使用の有無を問い合わせてみるなどの対応が考えられます。
●学校におけるアスベスト対策は?
学校施設においては、吸音等を目的として天井等に吹き付けアスベストが使われてきました。昭和62年に学校、公営住宅等における吹き付けアスベストが社会問題となり、同年、対応方策について早急に検討するため、公立学校施設の吹き付けアスベストの使用状況の大勢の把握を目的として調査が実施されました。
その結果を踏まえ、昭和62年度からアスベスト対策工事について公立学校施設整備費国庫補助制度における大規模改造事業の補助対象工事とし、設置者から申請があれば、優先的に採択しています。
2007.03.28.12:34 | Permalink | Track Backs (0) |